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わたしの携帯電話は、プリペイドカード式である。 別段、オレオレ詐欺に使うためではない、当たり前だが。 ふだん家で仕事をしているので、携帯を使う必要がほとんどないからだ。 それでも、外出時や緊急の時に必要だということで、しかたなく何年か前に購入したのだ。 最初に買った店は、スーパーの中のおもちゃ屋である。当時は、子どものおもちゃみたいな単純な機種をおもちゃ屋で売っていたのである。カードもおもちゃ屋で扱っていた。 それが、数年前、今までの機種が使えなくなるというので、今のものに取り換えたのだ。 といっても、全く無料で、ずっと機能のいいものに変えてもらえたのだが。 機能がいいといっても、メールは受けられるだけで、同じ機種でなければ送ることは出来ないし、もちろんカメラなどというものは付いていない(必要もないが)。 1万円のカードを買えば、度数を超えない限り1年間使える(期限が来たら新しいカードを買って、携帯からカードの番号を登録するだけで引き続き使える)。月に、1000円もかからぬ基本料で使えるのだと考えれば、実に得な道具だ。 オレオレ詐欺の横行で、今までは、本体を買う時だけだった身分証明が、カードを買う時も必要になるという。 考えてみれば、オレオレ詐欺が登場する前から、これを買うには身分証明が必要だったのだ(もちろん、おもちゃ屋で買った時も、証明書を要求された)。 最初から、犯罪に使われる恐れがあると見込みながら、通信会社やメーカーや行政は、これを売り出したということなのだ。 「あなたの健康を害する恐れがあります」と、パッケージに印刷しながら煙草を売っているのと、なんら変らぬと思うのだがどうだ? 危険性をある程度(もしかするとかなり)認識しながら、それに対するセキュリティーを考えぬというこの国の体質がもろに現れた出来事ではないだろうか。 間違えてはいけないのは、プリペイドカード式の携帯電話があるから犯罪が誘発されたのではない、ということだ。 犯罪をしてやろうという人間の前に、便利な道具としての携帯があったというに過ぎない。 そういう意味で言えば、オレオレ詐欺に使われている「銀行」や「郵便局」のATMや窓口も、「警官」「弁護士」という呼称も、犯罪者にとっての「便利な道具」ということでは、まったく価値は同じことなのである。 プリペイドカード携帯の規制を厳しくするのもいいが、それ以上に、いいように彼らに名前を使われている警察が、詐欺師の取り締まりにもっと本腰を入れない以上、彼らは次の「別の便利な道具」に乗り換えていくだけなのである。
by htmkuromame
| 2004-11-15 22:20
| 雑多な感
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