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60年前、人類はひとつのオモチャを手にしてしまった。 もちろん、当時は、PL(製造物責任)法などというものは無かったから、そのオモチャが持ち主にどんな危険を及ぼそうが、面白く遊べさえすれば構わないと思われていたものだ。 手の中でもてあそんでいるうちは、自分が世界で一番の力の持ち主になったかのように錯覚できるオモチャ。 だが、人類という「幼子」は、そのオモチャの危うさをほとんど意識できないまま、いまだに大人になれずにいる。 一度壊れてしまえば、すべてを無に帰して二度ともとにもどらないオモチャ。そのどきどき感があるからこそ、その持ち主になりたがるオモチャ。 持ち主に、多少の理性が残っているうちはいいが、今の最大の所有者はかんしゃくを起こして壁にでも投げつけかねない。 どんなへ理屈をこねようとも、それが人類に幸福をもたらすことなどありえない。それだけは、どんな国のどんな思想の持ち主の上にも平等な真理だ。 その意味でも、それは、人類にとっての究極のオモチャなのかも知れない。 「あやまちは 二度と繰り返しませぬから」 あの言葉は、そのオモチャの痛みを知っているごく少数のこどもたちが残りの全人類に対して、自戒の念として誓い発している警告の言葉にほかならないのだ。 その誓いの真の意味を理解できずにいる愚かな幼子たちは、ますます無謀な遊びをしたがっている。
by htmkuromame
| 2005-08-09 10:15
| 雑多な感
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