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ドクダミ。十薬(じゅうやく)ともいう。 「毒痛み」が転じた名前だそうだが、十薬と呼ばれる通り、民間の薬草として有名だ。 梅雨時の、どんよりと曇った空の下、垣根の根元などに群生して白い花を咲かせた姿は、清楚といっても良いくらいなのだが、どうもあまり人には好かれていない。 それは、あの、独特の匂いのせいである。 香りとは言えない。やはり、匂いと言った方がいい。 ヘクソカズラ(これも救いのない名前だが)のような、本当に臭いという匂いではないが、軽く触れただけで、やはり鼻につく匂いが漂う。 ただ、その匂いは、その時だけのもので、服に付いたり、いつまでも鼻の中に残るというものではない。 もうひとつ、名前の頭にいきなり「毒」と付いているのも気の毒だ。毒草でもないのに「毒」と呼ばれてしまう悲哀。 わたしなぞ、子どもの頃は、本当に毒草だと思っていた。 毎年、ドクダミの花が咲くと、根ごと引き抜いて、水洗いしてから良く陽に乾かす(他の薬草と違って、日陰干しでなくて良いのだそうだ)。乾いてしまうと、全くあの匂いはしなくなってしまう。鼻をつけても、枯れ草の香りがするだけである。 ドクダミと、やはり夏に採って日陰干ししたゲンノショウコ、それにハトムギと蜂蜜を混ぜて、お茶替わりにもう十何年も飲んでいる。 蜂蜜を入れると、鉄分が反応するのか、コーヒーより濃い色になるが、特別変な味はしない。 わざわざ、パック入りのドクダミ茶を買ってくる必要もない。もとは只である。 何年も、特に病気らしい病気をしないのは、もしかしたらドクダミのおかげもあるのかな、と思っているのである。
by htmkuromame
| 2004-06-10 21:24
| 雑多な感
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