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人名用漢字に、新しく580文字付け足そうという案が発表された。 今まで、使いたくても使えなかった漢字がいくつか入っているが、どう考えても名前には使えないような文字も沢山入っている。 書籍などに多く出てくる漢字を、意味には関係なくピックアップしたということらしいが、この選考基準、なんか変じゃないか? 良く使われる漢字だから多い順に入れてみました、という選び方には、少なくとも「文化」というものの匂いは感じられない。 決めた人間のポリシーというものも感じられない。なんだかひどく無責任な態度にしか見えないではないか(もっとも、今までだって「文部省のきめた常用漢字全部 法務省がきめる人名用漢字」だったのだから、当然、名前にふさわしくないような文字も含まれていたのだが) 何かを管理したい、というお役人の意志は見えても、さて、何をどうしたいの?という部分がちっとも明瞭でないのだ。 「悪魔」と名付けられそうになった子どもが(いや、親の方か)話題になったことがあったけれど、「糞太郎」とか「癌子」などと付ける親が現れないという保証はどこにもない(今のご時世だったら、充分ありうる)。 本当にそんな名前が届けられてきた時、役所の窓口ではどう扱うのか、そこまでちゃんと考えて決めようとしているのだろうか?何をもって、「誰」が「常識的」と判断するというのか? 悪魔くん騒動の時の反省は、どう生かされているのか、さっぱり見えてこない。 どの漢字を使うかは、親の判断に任せて、と言うが、それだったら、そもそも最初から制限など設ける必要はないのだ(現に昔は、制限などなかったのだから)。今だって、どう読んだらいいのか首をひねるような名前の子どもが沢山いるのだから、多少難しい文字を使ったからといって、驚くことでもあるまい。 昔のように、幼名などというものがあって、子どもが大きくなったらまた違う名前を名乗れるとでもいうのなら、また話は違ってくるのだろうけどね(厄除けのために、わざと悪い意味の名前を付ける、などということも珍しくなかったようだから)。 前回の「ドクダミの花」の中にも「毒と付けられた悲哀」と書いたが、人間だったら、悲哀だけでは済まない。 「苺」も入っているけれど、「毒」を間違えて届けてしまう親だっているかも知れないではないか。…いや、きっといるに違いない。
by htmkuromame
| 2004-06-12 11:00
| 雑多な感
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