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まいまい、かたつむりなどとも呼ばれる、陸生の巻き貝、でんでんむし。 梅雨時になると、アジサイの葉の裏などによく姿を見かけるのだが、大型のものは、メダカに続いて絶滅の危機に瀕しているのだという。 わが家の庭には、けっこうあちこちにいるので特別そんな感じもしないのだが、都会では、余り見られなくなった来たらしい。 そのでんでんむしに、右巻きと左巻きのものがいるのをご存知だろうか。比率としては、右4、左1くらいらしい。 左巻きの方が、何かの変異で右巻きから別れたものだそうだが、数が少ないのもそのためのようだ。 まあ、でんでんむし本人にとっては、どうでもいいことなのだと思う。右巻きと左巻きが原因で、でんでんむし戦争が起きたなどという話も耳にしたことがない。 雌雄同体の貝でもある。だから、男女のいさかいもない。 自分の考えが絶対だといって、他人にそれを押し付けたがる人間が多すぎるこの世だが、右巻きでも左巻きでも、押し付けられるのはまっぴらごめんである。 フランキー堺のように、「わたしは貝になりたい」などと呟かなくてはならない世の中にだけは、したくないものだ。 そういえば、サイモンとガーファンクルは、 「I'd rather be a sparrow than a snail」 でんでんむしよりも雀になりたい などと歌っていたなあ。 (写真は、上が右巻き、下が左巻き) ※「わたしは貝になりたい」1958年(昭和33年)/戦時中、上官の命令で捕虜を虐待してしまった(というより、せざるをえなかった)床屋の主人であるごく普通の男が、東京裁判で死刑を言い渡されてしまうという、TV放送初期のドラマの傑作。主演は、フランキー堺。死刑の前に、主人公は言う。「もしも、生まれ変わることができるのならば、わたしは深い深い海の底の貝になりたい」 考えてみれば、この頃が日本のTVの絶頂期であったのかもしれない。生まれ落ちた時から、低い方へ低い方へと転がりつづけている不幸なメディアである。
by htmkuromame
| 2004-06-17 17:51
| 雑多な感
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