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商店街にある小さな神社の境内に置かれた「運の石」。 「右から左へなでれば悪運を払い、左から右へなでれば良い運が開け輝かしい未来が約束される」んだそうな。 モニター上でなでても、御利益があるのかどうかまでは保証致しません。 丸いけれど、「月」ではありません。念のため。 #
by htmkuromame
| 2005-03-20 20:33
| 今日のワンショット
しばらく献血をしていないなあ、と、ラジオの献血キャンペーンを聴きながら思った。 特別献血が趣味、というわけではないが、昔、父が緊急手術の時、大勢の方の献血のおかげで危うく命拾いをしたことがあるので、機会があればなるべく献血をすることにしている。 さて、近ごろ「英国に昭和55年(1980年)1月から今日までに通算1ヶ月(30日)以上滞在(居住)歴」のある人は献血は相成らぬということになって、10%ほど献血量が減りそうだと、赤十字では憂えているようだ。 原因は、英国を中心に発生しているクロイツフェルト・ヤコブ病が輸血によって伝播する可能性があるためだ。何故、クロイツフェルト・ヤコブ病なのかといえば、牛海綿状脳症(BSE)との関連が大きいと考えられているからであり、そのBSE(狂牛病)が、英国で多く発症しているから、という三段落ちになっているわけである。 この、通算1ヶ月(30日)というのが、どういう根拠で出てきた数字なのか良く分からないのだが、30日未満の29日だったら絶対大丈夫という保証があるとも思えない。 まあ、献血ですらそれだけの警戒をするのだから、一番おおもとの牛肉に気を使うのはごく当然だろうと思うのだが、この国の担当大臣は、「そんなことは非常識だ」と公言してはばからない。 「牛肉の全頭検査など」国際的には非常識と言いたいらしい。 全頭検査は、科学的にはあまり意味がないからやらなくてもいいではないかということなのだが、それは、あくまで、きちんと危険部位が取り除かれているという前提に立ってのことである。 全頭検査より意味のある危険部位の完全除去、に切り替えるなら、それはそれでいいだろう。 ただ、その辺を、かの国がきちんとやってくれるという保証は余りない。何せ、昔から他国の一般人の健康にはかなりむとんちゃくなお国柄であるからだ。 いずれにしろ、そこがきちんとされない限り、その大臣が、「わが国民の健康よりかの国様のご機嫌の方がよほど大事だ」と言っていることにおいては変わりはない。 一番のトップがかの国の顔色ばかり窺っている方だから、当然といえば当然のことなのかも知れないけどね。 さて、15日付けで、チェコ大使にK元農水次官が発令されたらしいが、K氏は畜産局長時代のBSE対策が不十分などの批判を受け、2002年に次官を退官した人物である。 この国の政治家やお役人が、国民に対して、何か責任をとったことがあったかね? (命がけでも牛丼が食いたいと思うほど、牛肉が好きなわけでもないしね) #
by htmkuromame
| 2005-03-16 14:33
| 雑多な感
春らしい日和になってくると、金魚鉢(もともとは、梅漬の瓶なのだが)の底でじっとしていた金魚が、人の足音を聞きつけて、「えさくれ。えさくれ」と言いながら浮かび上がってくる。 今いる金魚は、ペットショップで一番安かった「琉金」が2匹である。 その前は、町内のお祭りの金魚すくいの残りを何匹か飼っていたのだが、かなり年数が経って大きくなったのに、病気であっさり死んでしまった。 この琉金は、飼いはじめて4年くらいになる。 最初は小さくてころっとしたのがちょろちょろ泳いでいたのに、今はでっぷりと太って、あまり「可愛い」という感じはなくなってしまった。 金魚は、入れ物の大きさによって体が大きくなるという話だから、もうこれ以上大きくはならないとは思うのだが。 そろそろ、玄関の外に出してやってもいいころか。 #
by htmkuromame
| 2005-03-16 11:39
| 今日のワンショット
国会で、性教育の教科書が行き過ぎだと論議になって、小泉君が、 「性教育は我々の年代では教えてもらったことはない」「知らないうちに自然に一通りのことは覚える」 と、のたもうていたが…。 おいおい、教科書が過激かどうかは別問題として(どんな風に「過激」なのか、現物を見てないので判断のしようもないが)、今どき「性教育そのもの」に対して、こんな情けない認識でいいのか?という答弁に、あきれ返るというより「だからだめなんじゃねえか」と、思わず呟いてしまった。 こういう、100年古いと言われても仕方ないような認識の大人ばかりだから、色々と子どもの性の問題が起こっているのだろうが。 まあ、女性問題で選挙に落っこちちゃった方がお友達の首相だから、それまでの人間か、と思われても仕方のないお答えだよなあ。 などと言ってるうちに、今日、おんなじ党内から、「わいせつ行為」でひとり捕まっちゃったじゃないか! いい大人の政治家にこそ「まともな」性教育が必要なのではないのか? (この時期になって、こんなことをことさら言い立てるということ自体、何か他の目的があるんじゃないか?と勘ぐりたくなる話ではあるよな) 総理大臣補佐官のお友達のご意見を、ぜひお聞きしたいものである。 #
by htmkuromame
| 2005-03-10 09:48
| 雑多な感
確か、その巨大な仏像を見にいったのは、小学校の低学年のころだったと思う。 世の中は、X国との戦争が近いかも知れないというので、何となく騒然となりはじめたころのことだ。 X国とは、盟友とも属国扱いともいわれながら、長い蜜月時代が続いていたはずが、いつの頃からかボタンの掛け違いが大きくなって行ったのだ。 ただ、その時のわたしは、まだ戦争がどんなものなのかという認識もなく、世の中のざわついた空気を遠くに感じていたに過ぎなかった。 そんなころ、その仏像は大掛かりな改修が行われ、一般にも披露法要が行われたのだ。 時代が時代だっただけに、政界や財界を巻き込んだその工事には、非常時に無駄金を使うなといった批判もかなり寄せられたらしい。 そのために、工事そのものは厳重な監視の元、全く公開されることなく行われた。 仏像(盧遮那仏というのだそうだ)の収められた寺の金堂には、「世界平和を願う」という大きな垂れ幕が下げられ、何万という観衆が集まるなか、法要は盛大に営まれた。 何百年とそこに座りつづけた盧遮那仏は、長い間の汚れや傷みをすっかり繕い直され、半眼の目で観衆を見下ろしていた。 まあ、その時のわたしは、ただ、でっかいなあ、という単純な驚きの思いだけでそれを眺めていただけだったのだが。 X国との戦争が現実のものとなるまで、それから更に数年の時間が流れた。 いざ、戦争が始まると、それは今までの歴史にない奇妙な戦いとなった。 戦争がささやかれるようになる少し前の年に、国際条約として、核兵器の使用が全面禁止となり、更に戦争当事国同士以外の国にいかなる被害も与えてはならない、という国際法が成立していたからだ。 まあ、そんな制限を付けたところで、戦争の悲惨さが軽減されるわけではないことくらい百も承知で、体裁だけを取り繕う人類のあほさ加減が現れた条約だったが、一応最先進国を自任している2国間の戦争だったから、その法を遵守する「紳士的な」戦いを行うことになった。 他国に迷惑をかけない、となると、やたらに飛び道具だけでドンパチやるわけには行かない。 勢い、主な戦いは、相手の国に乗り込んでの白兵戦になり、最新のハイテク戦闘服をまとった兵士同志の戦いが繰り広げられることになった。 小さいころ、TVで再放送されていた昔のアニメに登場するモビルスーツが、本物となってあちこちで戦う姿が見かけられるようになったのだ。 モビルスーツといっても、最初は、アニメのような巨大なものではなく、人間がすっぽり収まるでっかい戦闘服にすぎなかった。 だから最初のうちは、みんなプロレスでも観るような感覚で、遠くから観戦しながら味方に声援を送っていたものだ。 だが、次第にエスカレートするのが戦争というものの常だ。 モビルスーツは、次第に巨大になり、搭載する武器も強力なものとなって、見物どころか一般市民もお構いなく巻き込まれるようになっていった。 そうなると、もともと物量に物を言わせるのが得意なX国が断然有利となっていった。 X国に攻め入っていた我が国のモビルスーツは次々と撃破され、ついに、主な戦場は我が国の側だけということになってきた。 そうなると、昔から他国のことにはあまり慈悲心などというものを持っていないX国のことだから、我が国の物の2倍はあろうかという巨大化したモビルスーツ戦隊で、一気にこちらを踏みつぶそうと攻め寄せてきたのだ。 そのころには決定的な人員不足に陥っていた我が国は、すでに少年兵の徴兵を実施していて、わたしも16から高校生兵士として軍事訓練を受けていた。 もっとも、モビルスーツによる戦闘は、体力よりもスーツの操作能力と柔軟性の方が重要だったから、乗員としては成人より子どもの方が適性があったのだ。 子どものころからゲーム屋で鍛えていたわたしは、優秀な成績を収めて軍事高校を卒業して、モビルスーツ戦隊に配置が決まったばかりだった。 いよいよ明日は、X国のモビルスーツ軍が上陸するという日の夜(余裕綽々のX国は、事前に上陸日時を通告してきたのだ。負けるのがいやなら、さっさと降伏しろというわけである)。なりたてほやほやのわたしたち少年兵は、あの、子どものころ盧遮那仏を見物した寺に集められた。 何故、こんなところに、と不思議に思っていると、盧遮那仏の座る蓮華座の下に立った部隊長が口を開いた。 「諸君も承知の通り、ついに明日は我が国の存亡を賭けた戦いの日である。 この日のために、我が国は最終兵器を建造し、秘匿してきた。 それは、この盧遮那仏の中に収められているのだ」 わたしは、あ、と、小さな声を上げた。そうか、あの時の大改修は、そういうことだったのか。 部隊長は、わたしの方を見ると、ついて来いと合図した。 「おまえには、この秘密兵器のパイロットとなってもらう」 「パイロット? いったい何の兵器なのでありますか?」 部隊長は、それには答えず、にやっと笑って見せた。 わたしは、部隊長に続いて、盧遮那仏の体内に入る階段を登っていった。 仏像の頭部まで登ると、そこには、仏像の頭にすっぽりと収まるようにして、もうひとつの頭があった。 「これは…」 「そうだ。これこそ、あのX国の巨大スーツの更に2倍以上ある超巨大モビルスーツなのだ。 大きさだけでなく、威力も素晴らしいぞ。 この日のために、建造されてからも日々改造されてきたのだからな」 部隊長は言うと、コクピットの扉を開いた。 ついに、決戦の日の朝がやって来た。 わたしは、モニターで、X国の艦隊から続々と降りてくるモビルスーツの群れを見ながら、始動ボタンを押した。 青銅色をした盧遮那仏がゆっくりとふたつに割れ、白いボディに赤と青のラインを引かれた真新しいモビルスーツが、蓮華座の上にゆっくりと立ち上がった。 色こそ違うが、姿形は盧遮那仏そのままであった。 その姿をモニターでみながら、わたしは、思わず子どものころから親しんでいた盧遮那仏の呼び名を口にして号令をかけていた。 「大仏、発進!」 #
by htmkuromame
| 2005-03-08 13:55
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